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サンプルコード
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環境
以下の環境で開発しています。
動作等の不都合がある場合は、下記の環境を参考にしてください。
環境
内容
OS
Windows10 バージョン1903
M5Stack ハードウェア
M5stack BASIC
M5Stackライブラリ
0.2.9
開発環境
開発環境は以下のリンクを参照ください。
M5Stack Library - https://github.com/m5stack/M5Stack
最初に上記ライブラリに含まれるサンプルスケッチをビルド、書き込みを行ってください。
MWM5ライブラリは https://github.com/monowireless/mwm5 で配布しています。ソースファイル一式をダウンロードしてください。本ドキュメント記載時点に一致するバージョンは変更履歴に記載があります。
変更履歴にある zip ファイルをダウンロードして、開発環境の指定するlibraryディレクトリに展開するか、開発環境の「zip形式のライブラリのインストール」を行ってください。アンインストールはライブラリディレクトリを削除します。
ターミナル(コンソール)クラスの利用例
M5stackの320x200ドット液晶に固定幅ターミナルウインドウを表示します。
以下は画面出力の例です。
まずターミナルオブジェクトを生成します。ここでは最大64カラム、最大20行、左上から (0,16)の位置に(320,192)サイズの領域とします。
次に「東雲フォント16ドット」をフォントID=10で生成しています。フォントを管理するオブジェクトはライブラリ内部で生成・管理されます。
ターミナルにフォントなどを基本的な設定を行います。フォントを先ほどのフォントID=10として指定し、フォントの文字色と背景色を指定します。カーソルを2(ブリンク表示)とします。最後にforece_refresh()
にて初期描画を行います。
setup()
が終了したらloop()
での周期実行中に、一定時間ごとに画面の描画を行います。ここでは32ms以上経過したら再描画するようにしています。
以下の例ではボ タン Aでは"hello world!" + 改行の出力、ボタンBでは画面のクリア、ボタンCも同様に画面のクリア(エスケープシーケンスによる)を行います。
ハードウェア接続
TWELITE DIPとの接続例です。シリアルポート(UART)のTX,RXのみのシンプルな接続です。
ライブラリの使用
ソースコード上でライブラリを使用するには #include <mwm5.h>
をソースコード上に記述します。
Arduino.h, M5Stack.h は mwm5.hより後でインクルードしてください。
mwm5.hにはusing namespace
を用いて、ライブラリ中の名前空間を可視にし省略できる宣言が含まれています。これら名前空間を明示的に記述したい場合は替わりに#include <twelite.hpp>
を記述してください。
ここでは、以下の解説が含まれます。
シリアル電文パーサーの利用例
TWELITE 無線マイコンから UART (シリアルポート)経由での電文書式を解釈します。電文書式は、可読性・エラー検出などを目的として、伝送したいデータ列に対して所定の変換を行います。
ここではアスキー形式の解釈を行うAsciiParser
について解説します。
アスキー形式は、バイナリで構成されたデータ列を文字列で表現する方法です。TWELITE無線マイコンでは最も良く用いられる形式です。
例えばバイト列で 00A01301FF123456
をアスキー形式で表現すると、以下のようになります。先頭は :
で B1
がチェックサム、終端は [CR:0x0d][LF:0x0a]
となります。
:00A01301FF123456B1[CR][LF]
終端のチェックサムを省略できます。チェックサムからCRLFの系列をX
に置き換えます。文字化けによる誤ったデータ系列には弱くなりますが、実験などでデータを送付したいときに便利です。
:00A01301FF123456X
上記の例では parser_ascii
というオブジェクトを内部バッファ256バイトで生成しています。このバッファサイズは、書式の解釈後に必要なバイト数です。
ASCII形式では実際のバイト数の約2倍の書式になります。例えば書式が200バイトの系列の場合は、実データは約100バイトになります。
無線パケットの最大格納バイト数が100バイト強であるため、この例では余裕をもって256バイトのバッファとしています。
このAsciiParserは1バイトずつの処理を行います。シリアルポートからは1バイトずつデータが到着するためです。
上記例では、シリアルポートから1バイト読み出してはparse_acsii
に1バイトずつ<<演算子を用いて読み込ませています。
直後のif(pars_ascii)
での判定は、アスキー形式の系列が正しく解釈できたかどうかを判定しています。
解釈済みの系列はget_payload()
メソッドにて取得できます。get_payload()
はSmplBuf_Byte
の参照型を戻します。
以下のように配列にアクセスできます。
newTwePacket()
は入力されたデータ系列を解釈して、spTwePacket
型のオブジェクトを生成します。このオブジェクトはTwePacket
型のデータを格納するスマートポインタstd::shared_ptr
で、メモリ管理を簡素化することができます。
パケット種別はE_PKT
列挙体で定義されています。ここではTWELITE PALの出力形式PKT_PAL
の解釈を行います。
std::shared_ptr
の利用は、パケット情報を他にコピーして利用する場合を想定しています。例えば履歴配列に保存して、過去の情報を参照するような場合です。
オブジェクトは参照カウンタにより管理されていて、所有者が0になれば破棄されます。
解釈されたパケットの種別はidentify_packet_type()
により判別します。パケット種別はE_PKT
列挙体で定義されています。
解釈したパケットがE_PKT::PKT_PAL
と判定された場合は、refTwePacketPal()
によりTwePacketPal
型として参照できます。上記コード例ではユニバーサル参照auto&&
を用いて型名を推測させています。
PALのボード種別に応じたオブジェクトを生成して、ボード種別特有のデータにアクセスすることが出来ます。
上記の例では、MAG(OPEN-CLOSE SENSE PAL)のオブジェクトmag
を生成しています。ここではオープンクローズに応じた分岐にmag.u8MagStat
を読み出しています。
標準アプリケーション
TWELITE DIPに工場出荷時に書き込まれている標準アプリ(App_Twelite)のシリアルメッセージを解釈してLCD画面上に表示します。
M5stickに接続する前に書き込んだTWELITE DIPが無線パケットを受信してデータを出力するかPCで確認しておいてください。
M5Stack側のTWELITE DIPは、以下のような接続をしておきます。以下の配線はTWELITE DIPを親機設定(M1=GND)とした配線をしています。AI1-4はアナログポートがオープンになり不定な入力を防ぐためです(App_TweliteではVCCレベルを入力した場合、そのポートを未使用とする意味を持たせています)
シリアルポートの初期化を行っています。
LCDスクリーンの初期化を行います。処理の内容はscreen.cにあり、ターミナル画面の初期設定を行います。
シリアルポートの入力チェックを行います。入力したデータを the_input_uart
キューにいったん投入します。
シリアルポートから入力データを処理します。ここではパーサーに文字列を投入します。パーサーによりシリアル電文が解釈できた場合は、update_screen()
を呼び出しターミナル画面に文字を更新します。
LCD画面上のターミナル画面領域を書き換えます。処理の内容はscreen.cにあります。
受信したパケットデータを読み取り、画面表示を更新します。
この関数内ではエスケープシーケンスを用いて画面の表示位置などを制御しています。
パケットデータはspLastPacket
に格納されています。これの内容を紐解くにはretTwePacketTwelite()
を呼び出します。xの値を読み出して、これに対応して画面を更新します。
TWELITE PAL
TWELITE PAL のパケットデータの表示を行います。
TWELITE PALの親機用ファームウェア(App_PAL-Parent-BLUE.binまたはApp_PAL-Parent-RED.bin)をTWELITE DIPにあらかじめ書き込んでおきます。
M5Stackに接続する前に書き込んだTWELITE DIPが無線パケットを受信してデータを出力するかPCで確認しておいてください。
M5Stack側のTWELITE DIPは、以下のような接続をしておきます。
シリアルポートの初期化を行っています。
LCDスクリーンの初期化を行います。処理の内容はscreen.cにあり、ターミナル画面の初期設定を行います。
パケットデータの管理クラスの初期化を行います。
シリアルポートの入力チェックを行います。入力したデータを the_input_uart
キューにいったん投入します。
シリアルポートから入力データを処理します。ここではパーサーに文字列を投入します。パーサーによりシリアル電文が解釈できた場合は、update_screen()
を呼び出しターミナル画面に文字を更新します。
LCD画面上のターミナル画面領域を書き換えます。処理の内容はscreen.cにあります。
入力データの管理と表示を行う関数です。
このクラスでは、パケットデータに含まれる送信元論理IDごとのspTwePacket
データを保存しています。新しいデータを受信したら都度更新します。
画面表示は論理ID1から順に、最後のデータまで1行ずつ表示します。1画面に収まらない場合は、次のページに表示します。
init_screen()
は初回の初期化を行います。fmt_status
は上部タイトルエリアへの出力文字を指定します。
フォント変更などで画面サイズに変化があった場合はreinit_screen()
を呼び出します。
受信パケットデータを登録します。内部的にはIDに対応したspTwePacket
の配列に値を入れます。
ページ設定を行います。画面の更新をするため、直後にupdate_term()
を呼び出します。
set_page()
はentry
に対応する論理IDが含まれるページに移動します。
上部タイトルエリアの文字列を再設定します。
ターミナル画面の表示文字列の更新を行います。
パラメータなしで呼び出すか、update_all=trueで呼び出すと、ターミナル全体の再描画を行います。
pal_upd
を指定しupdate_all=false
の場合は、pal_upd
の表示行のみを更新します。
======
元データのバイト数
バイト数
解説
ヘッダ
1
:
(0x3A) コロンを指定します。
データ部
N
2N
元データの各バイトをアスキー文字列2文字(A-F は大文字)で表現します。
例えば 0x1F は 1
(0x31) F
(0x46) と表現します。
チェックサム
2
データ部の各バイトの和を8ビット幅で計算し2の補数をとります。つまりデータ部の各バイトの総和+チェックサムバイトを8ビット幅で計算すると0になります。
チェックサムバイトをアスキー文字列2文字で表現します。
例えば 00A01301FF123456
では 0x00 + 0xA0 + ... + 0x56 = 0x4F となり、この二の補数は0xB1 です。(つまり 0x4F + 0xB1 = 0x00)
フッタ
2
[CR] (0x0D) [LF] (0x0A) を指定する。