ITerm
ターミナル用文字バッファ管理クラス
ターミナル(コンソール)の基底クラスで、画面上の文字列を管理する。このクラスは、実際の画面描画についての手続きは含まれず、このクラスを継承したサブクラスによって画面描画を実装します。
メソッド
ITerm() - コンストラクタ
カラム数u8c
と行数u8l
を指定して、ターミナルを構築する。カラム数と行数はターミナルで管理できる最大の値を指定する。ターミナルのサイズ変更を行った場合でも各々の最大の値を超える変更は行われない。
pAryLines
とpBuff
を指定する場合は、ITerm内でのメモリ確保は行われず、外部で確保済みの配列を利用する。
~ITrem() - デストラクタ
動的にメモリを確保した場合は、そのメモリ領域を破棄します。
clear(), home(), clear_screen()
clear()
は画面バッファのクリア、home()
はカーソル位置をホームポジションに移動、clear_screen()
は両者を実行します。
clear_line()
指定行をクリアする。fill_blank
をtrue
にすると指定行を空白で埋める。
refresh(), force_refresh()
サブクラスにより実装される画面更新描画のためのメソッドです。描画方法は2種類あり、メンバー変数u32Dirty
に定義されるビットマスクに対応した行のみを再描画するものと、force_refresh()
メソッドによる画面全体を再描画するものがあります。
画面全体の再描画では、いったん背景を背景色で塗りつぶしてから再描画します。初回の描画ではforce_refresh()
を行うようにしてください。
write()
ターミナルに1文字書き出します。カーソル位置に文字を書き出します。16bit wchar_t
型のUnicodeを渡します。
char_t
(char) 型のパラメータを渡した場合は、入力をUTF-8として取り扱います。例えば0x7F までのASCII文字はそのままwrite(wchar_t)
が呼び出され、3バイトのUTF-8エンコードされた日本語文字は、連続して3バイトを投入した時点でwrite(wchar_t)
が呼び出されます。
日本語文字セットを表示するためのフォントの取り扱いについてはTWEFONT::FontDefを参照してください。
get_height(), get_width()
ターミナルの行数、カラム数を返す。
move_cursor()
カーソル位置を指定場所に移動する。
戻り値はITerm&
(自身)で続けて出力メソッドなどを記述できる。
operator <<
<<
演算子を用いてターミナルに文字列を書き出します。
パラメータ | 意味 |
const char *s | 文字列 s をターミナルに書き出す (UTF-8のデコードを行います) |
IStreamSpecial& sc | crlf (改行)など特殊文字を出力する |
char_t c | 文字 c をターミナルに書き出す (UTF-8のでコードを行います) |
wchar_t c | 文字 c (Unicode)をターミナルに書き出す |
int i | printf("%d", i) に該当する出力を行います |
TermAttr a | 文字属性を設定します |
メソッド (サブクラス実装用)
メソッド名 | 解説 |
post_refresh() | サブクラスでのrefresh()実装で、最後に呼び出す必要があります。必要な変数の初期化を行います。 |
resize_screen() | 指定されたカラム数・行数に従い、バッファを再構成します。コンストラクタ指定の初期値を超えた指定はできません。 |
column_idx_to_vis() |
|
column_vis_to_idx() |
画面上の行位置、カラム位置(ともに0が先頭位置)から、画面バッファー上のカラム位置を計算します。日本語文字のような2文字幅文字を2カラムとして計算します。 "abcあいう"という文字列が格納された行の画面上のカラム位置5または6は"い"の文字が格納されますが、本関数で画面バッファー上のカラム位置を計算すると4になります。 |
最終更新